住宅建築について調べている中で、「木の家」に関する情報を目にすることも多いのではないでしょうか。木の家にはさまざまな木材が使用されていますが、それぞれの木には特徴や効果があります。そこでこちらの記事では、欅(ケヤキ)木材をピックアップし、特徴や住宅に使うメリットやデメリットなどについて紹介していきます。
ケヤキは、国内では本州や四国、九州などに分布しており、平野部から丘陵地域といった比較的低いところに生育しています。ケヤキは古くから建築材や建具材、家具材などに幅広く使用されていて、大きな木材は寺社建築などにも利用されています。
ケヤキは見た目が美しいので、非常に人気が高い木材のひとつです。その見た目は、それぞれの木ごとに色や艶、木目などが異なります。ですので、同じケヤキ材でも、木によって大きく価格が変わってきます。
製材される前の樹皮は、まるでウロコのように浮き上がり、それを触るとポロリと落ちるといったような他の木にはない特徴もあります。
見た目の美しさから人気が高いケヤキは、耐水性や耐久性にも優れています。木材として使用できる期間が長い上に美しい木目を持っていることから、多くの用途に使われています。
ただ、乾燥に時間がかかる面もあり、十分に乾燥していない状態で使用すると捩れや割れ、狂いが発生しやすくなります。ですので、耐久性を高くもたせるために、しっかりと乾燥させたものを使います。
樹木をふんだんに使用した住まいの事例です。こちらの住まいには、ケヤキを使った大黒柱のほか、リビングの壁一面や玄関敷台にもケヤキの板を活用しています。欅以外にも、さまざまな無垢材を使った木の家です。
施主が所有していた敷地のケヤキの木を、伐採・乾燥・製材まで一貫して行った上で、新築に使用した事例です。家の至る所に木が用いられており、玄関内の下駄箱の天板にケヤキの無垢材を使用しています。そのほかにも、和室に設置した座卓や床の間などもケヤキの無垢材です。
家の顔となる玄関に設けた式台に、施主夫婦の思い入れのあるケヤキの一枚板を設置しています。外から帰ってきた家族を温もりで包んでくれるような玄関になっています。そのほか、家のさまざまなところに木材をふんだんに使っています。
ケヤキは耐久性が高い点が特徴のひとつですので、日常的に特別なメンテナンスを行う必要はありません。ただ、汚れがついてしまった場合には内部に染み込んでいかないように早めに拭き取る、表面についたホコリを乾拭きで取り除くなどの手入れは必要です。
また、一度ついてしまった汚れがなかなか取れない時には、洗剤を使用して拭き取りますが、この場合にも水分はすぐに拭き取ってください。必要に応じサンドペーパーを使って表面を削り取るという方法を使って汚れを取ることもあります。
ケヤキは耐久性に優れている木材であるため、歴史的な建造物にも多く使用されています。ですので、高い耐久性を持つ木造住宅や家具を作りたいと考えている場合には、候補に上がってくる木材です。
また、衝撃・摩擦に強い点に加えて、腐食に対しても強いという特徴も持っており、柱や土台部分にも使用されることもあります。
ケヤキは木目・色味などがそれぞれの木で異なります。白っぽいケヤキは床や柱に多く用いられ、赤みが濃いケヤキ材は家具などに多く用いられているというように、さまざまに使われています。
ケヤキは杉などの針葉樹と比較すると、成長がゆっくりであるために大木になるまで長い時間がかかりますので、コストが高くなる傾向にあります。例えば、柱や床材などにケヤキを使用する場合には多くの木材を使用することになります。他の木材を使用した場合と比較すると、費用も高くなるでしょう。
ケヤキは非常に硬い木材であることから、加工するには高い技術とノウハウが必要です。さらに木材として加工後に適切な環境で乾燥させないと、反り・変形が発生する場合もあります。
そのため、管理や加工が難しい点はデメリットのひとつといえるでしょう。また、色味合わせも難しく、製品として使用するには材選びにセンスが必要とされています。
ケヤキ材はその美しさなどから人気の高い木材であり、さまざまな用途に使われています。非常に耐久性が高いこと、木材としての個性も強いといった特徴から、フローリングや柱など、住宅建築にも多用されている木材です。木の家を検討されている場合には、ぜひケヤキ材の魅力もチェックしておくと良いでしょう。