木の家・住宅に使われる木材の種類

木の家とひとことで表現しても、そのイメージや機能は使用する木材で大きく変わります。また木材も迷ってしまうほど種類が豊富で、どれを選んだらよいか分からないことも。家族が何十年と生活する家ですから、木材ごとの特徴・機能・耐久性・色や見た目をしっかり比較して、時間をかけて選ぶことが大切です。ここでは大きく分けた建築木材の種類と、人気の木材について紹介します。

集成材と無垢材のちがい

木の家をたてる時によく耳にする集成材と無垢材。無垢材とは文字通り天然の木を乾燥させたもので、集成材は細かく切った木材を乾燥させて接合した木材です。

無垢材の特徴は調湿性が高いこと。接着剤が使用されていないので、木本来の呼吸を妨げません。また接着剤不使用だから、シックハウス症候群やアレルギーの心配が少ないのが大きなメリットです。逆に天然木ならではのねじれやひずみが発生することもありますので、無垢材の使用には適切な木材の選択と熟練の大工さんの腕次第ということを忘れずに。

一方、集成材は比較的安く大量生産が可能。品質も安定していることから取り入れやすい素材といえるでしょう。反りやゆがみが出にくく加工しやすいのも特徴。気になる耐久性ですが、集成材の素材や接着剤により異なります。また接着剤に有害化学物質が使用されているかは事前にしっかり確認するのも大切。特に小さなお子さんのいるご家庭でははずせないチェックポイントです。

構造材・内装材に使われる木材を解説

集成材と無垢材のちがい、輸入材と国産材のちがいはお分かりいただけましたでしょうか?木の家に使用される木材は、種類が豊富です。それぞれ見た目や機能がちがいます。強度のちがいや防虫効果から梁や柱・土台に適したもの、柔らかくて加工に向いており内装に適したもの、家具や調度品にも使用されるものなどさまざま。

ここでは木の家をたてるときに使う各建材の選び方のポイント、よく使われる樹種を紹介します。自分たちのライフスタイルとそれぞれの木材の特徴を踏まえて、ぴったりの木を各所にあしらえたマイホームを計画してみましょう。

構造材 強度
構造材を選ぶとき、木材の硬さや曲げ破壊への強さ、たわみやすさを調べておくようにしましょう。木材の強度を調べるときは、ヤング係数も参考になります。
耐朽性・防虫
木材の調湿機能が一つのポイント。木の調湿度合いは、乾燥方法や加工方法、無垢材なのか集成材なのかでも変化。また木によっては芳香によりシロアリを避ける効果もあります。
加工のしやすさ
まっすぐな針葉樹は扱いやすくなっています。また木材乾燥の際に水がしっかり抜けていないと木のゆがみから構造のずれにつながります。内部の水分がしっかり抜ける天然乾燥などの製材をしている工務店・ハウスメーカーを選ぶのもいいでしょう。
よく使われる樹種
杉、檜、松、栗、ヒバ他
床材 調湿
お部屋の湿度を快適に保つには、床材の調湿機能も重要。乾燥・加工方法にこだわった呼吸する木を選ぶのがおすすめです。
肌触り・ぬくもり
好みの肌触りはもちろん、無垢材のなかには表面の温度が集成材や他の素材と比べて1度ほど高いものも。冬でも足元をあたたかくしてくれます。
硬さ
木によって硬さにちがいがあります。やわらかい質感がたのしめるのは、針葉樹。広葉樹は、硬さが自慢で傷つきにくくなっています。お部屋の雰囲気もやわらかい印象、重厚感など理想のテイストを考えながら選んでみましょう。
木目・色合い
好みの木目や色合いで部屋のコーディネートをたのしむのもいいですね。空気をたくさん含む針葉樹などは、時が経つにつれ変化する色合いがたのしめます。
よく使われる樹種
杉、檜、松、栗、オーク、サクラ、チーク、アカシア、カバ、ウォールナット、メープル他
天井材・壁材 耐久性
家を支える一助を担う箇所ですので、構造材と同じく強度をチェックしてえらぶといいですね。
耐火性
太さのある木材は、万が一火事になったときも、表面の炭化でとどまり強度を守ります。もしものときを考えてある程度太さのあるものを選びましょう。
調湿
お部屋の空気に直接触れる壁材・天井材に、調湿機能のあるものを使うと、室内の湿度を快適に保ってくれる効果があります。調湿機能の高い木材に出会うには木の扱いに慣れていて、製材方法にもこだわった工務店・ハウスメーカーを選ぶのがおすすめです。
よく使われる樹種
杉、檜、松、桐、オーク、アカシア、ウォールナット、メープル他

地域で木の家が得意な
工務店・ハウスメーカーを探す

日本を代表する建材の杉は、さわやかな香りと美しい木目が特徴。無垢材・集成材のどちらにも使用できる耐久性があります。杉の木材を使用した家の特徴やメリット・デメリット、メンテナンスなどの詳細は下記ページをご参考ください。

杉の家の
メリット・デメリットを見る

「総檜づくりの家」など高級感あふれるイメージの檜も日本を代表する木材です。香りの良さと抗菌・防虫効果の高さ、強度など機能面の特徴やメリット・デメリット、メンテナンスなどは下記ページで詳しく紹介しています。

檜の家の
メリット・デメリットを見る

ケヤキ

木目の美しさとツヤ、硬さとどれも文句なしなのが、日本の高級木材の一つであるケヤキです。当然のことながら、その分お値段は高め。また加工の際に熟練の腕が試される木材で、乾燥が不十分だとそりや縮みが起きやすい特徴があります。

パイン

パインは日本語で松。建材では北米産の輸入ものをパインとしており、針葉樹特有の柔らかさが加工しやすい木材なので建材のほか家具にも使用されます。品種により色味が異なり、またパイン特有のさわやかな香りがあります。

オーク

大きく分けると、国産材のナラ、北米産のホワイトオーク、レッドオークの3つがあります。耐久性や耐水性が高く、調湿による伸び縮みが少ないので無垢材として扱いやすいのも魅力。一般的に価格が高めの広葉樹の中で、オークは低価格で取り入れやすい木材です。

輸入材と国産材のちがい

輸入材と国産材には様々なちがいがあります。例えば、年輪の大きさ。国産材は年輪の幅が狭く見た目の美しさがあると同時に、この幅の狭さが乾燥することによって変形のリスクを低減します。逆に輸入材はよく育ち年輪の幅が広いので、太い木材が必要な時には重宝されます。一方、年輪の幅の広さが乾燥による変形を起こす原因になることも。

また機能面では、日本の風土で育った国産材はその土地の気候を経験していますから、調湿機能を存分に発揮してくれることでしょう。さらに檜やヒバなど日本を代表する木材にはヒノキチオールという芳香成分が含まれており、これが防虫・殺菌効果を持つことも、日本の木造建築で重宝されてきた理由の一つでしょう。輸入材にも芳香成分をもつ種類がありますが、気候の違う土地でそだったものはその調湿機能が追いつかないこともあるようです。

現在使用されている木材の割合は、意外なことに国産材が3割、輸入材が7割。環境問題への関心も高まっている昨今、今後は国産材の割合が増えてきそうですね。

県産木材はすごしやすい家をつくる

多くの種類があって選ぶのに迷ってしまう木材ですが、もう一つ知っておきたいのが国産材の良さ。その土地の気候の中で何十年も育った木材は、その気温や湿度になじみ長持ちします。

それは製材後も呼吸を続ける木が、四季の中で湿気の多い時期も乾燥する時期も同じサイクルで調湿を続けるから。木が本来持つ自然の働きで家の中が快適になるので、家族が健康で快適に過ごせることも大きなメリットです。

木にとって急激な気候の変化がないために、県産木材では輸入材にあるような反りやひび割れのリスクも低減。その分お手入れやメンテナンスをしやすいので、長期的なコストも抑えることができます。

さらに地元の木材を使うことは、環境に優しいこと。大きくて重い木材は運搬にも相当のエネルギーがかかります。県産木材を使用することで、輸入による二酸化炭素の排出を減らし地球温暖化防止に役立つこともできるのです。

また最近では森林整備が進まずに日本の山が荒れてしまっていますが、これも県産木材を使用することで改善。古い木をきることは森の成長サイクルを助けます。木の家に住みながら地球環境に貢献できるのは、自然とともに暮らしたいと願うやさしい家族にぴったりな選択といえるでしょう。