注文住宅を検討する中で、「木の家」が気になっている方もいるかもしれません。木の家にはさまざまな木材が使用されていますが、それぞれの木材ごとに特徴が異なってきます。
こちらの記事では、「栗(クリ)木材」について紹介していきます。栗(クリ)木材が持つ特徴や効果、木の家に使用する場合のメリットやデメリットをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
栗(クリ)木材は、古くから建築材として使用されてきた木材です。青森県青森市にある三内丸山遺跡において、栗を柱として使っていた建物跡が見つかったように、非常に歴史が深い木材です。
木材としての栗は、北海道・本州・四国・九州に分布していますが、その中でも岩手県、宮城県、福島県、島根県などに多く分布しています。
栗は、耐久性と耐水性が高い木です。
栗の木材はタンニンと呼ばれる物質が含まれていますので耐久性が高くなります。さらに、タンニンには防腐効果があるため、腐りにくく虫害にも強いです。
また、タンニンが含まれ密度が高いことから、耐水性が高いという特徴も持ちます。ですので水分が木材に浸透しにくく、湿気が多い環境でも、長持ちします。
耐久性・耐水性が高い栗(クリ)木材は、フローリングなどに使用されるほか、耐水性が必要とされる屋外の構造物、例えば庭園のデッキ、橋の材、そして家具に多く使用されます。
栗(クリ)木材は木目が美しい点も特徴です。直線的で精密な印象の木目となっていますので、建築材や家具などに使用すると、落ち着いた印象を受けます。木目そのものを楽しめますし、色は時間の経過とともに深みを増していきます。
塗装をして、異なる表情を楽しむこともできます。
床材として十分な硬さを持っていますので、フローリングの材質としても多く利用されています。使用していくと摩擦・擦り傷はどうしてもついてしまいますが、その場合には研磨することで美しさが蘇ります。また、栗(クリ)木材¡は、オーク材のような美しく大ぶりな木目を持っていることも、フローリングに多く用いられる理由のひとつです。
屋外のウッドデッキに栗(クリ)木材を使用しました。表面は植物系オイル塗装を施されていますが、施工から数週間後にはそのオイルが馴染みつつ、本来のクリの木目が滲み出るように現れてきて、広葉樹特有の変化を楽しめます。
栗(クリ)木材は建材のほか、家具などにも多く用いられています。こちらは、栗(クリ)木材を用いたテレビボードです。木の家を建築する場合には、このように木材を使用した家具を取り入れるのもおすすめです。そのほか、デスクやキャビネットなどさまざまなものの制作に栗(クリ)木材が使用されています。
例えば栗(クリ)木材のフローリングの場合、無他の無垢材を使用したフローリングと同様です。基本的には、毎日の掃除では掃除機やホウキを使用してホコリなどを取ります。そのほか、お掃除シートを使用する場合には、ドライタイプのものがおすすめです。ウェットタイプのシートを使用する場合には、洗剤が含まれていないものを選んでください。
もし栗(クリ)木材に汚れがついた場合には、中性洗剤を溶かした水に雑巾を浸し、それを固く絞ってから拭くようにしましょう。そして、水気が残らないようにしっかりと拭き取ります。
一度建てた家は多くの場合長く住むことになりますので、メンテナンスすることが大切です。特に木の家は、使用している木のメンテナンス方法を知った上でお手入れをするようにしてください。
栗(クリ)木材は耐久性が非常に高い点が特徴です。さらに耐水性も高いため、屋外にも使用できます。栗の木材は線路の枕木としても使用されるほど耐久性が高いですので、建築に用いることにより非常に丈夫な建物ができます。
使っていく中で美しい経年変化を楽しめる木材です。時間の経過とともに、徐々に色合いが深まっていくことで、栗(クリ)木材独特の風合いが増していきますので、愛着が深まっていくでしょう。
ただし、メンテナンスを行わないと乾燥によるひび割れが発生する、表面に傷がつくといったおそれもありますので、定期的に手入れをしましょう。
栗(クリ)木材は硬いことから加工が難しい面があります。そのため、精密な加工を行う場合には、高い技術が必要になります。
加工とともに、乾燥が難しいのも栗(クリ)木材の特徴です。正しく乾燥させないと反りや割れが起こりやすいですので、栗(クリ)木材を使用する場合にはしっかりと乾燥処理されたものを選びます。
さまざまある木材の中から栗(クリ)木材の特徴や使用例などについて紹介してきました。
木の家を建てる際には、どのような木材があるのかを知っておくことが大切です。木の家が気になっている人は、ぜひ栗(クリ)木材についてもチェックしてください。