家は一度建てたら終わりではなく、長く暮らす中でリフォームが必要になることもあります。その点、木の家は鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べて、リフォームがしやすいという特徴があります。その理由やリフォームに関するさまざまな情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
木材は鉄やコンクリートに比べて加工が容易です。熟練した大工であれば、ノコギリやノミ、カンナなどの道具を使い、木材の修繕や改修を自在に行うことができます。一方、鉄筋コンクリートは一度成型すると部分的な加工や改修が難しく、鉄骨造も部材を分解して組み直すなど、手間と時間がかかる傾向があります。
木造軸組工法は、柱や梁、筋交いなどの部材で建物を構成するため、基本骨格をそのままに壁や間仕切りを移動させたり、変更したりすることができます。そのため、部屋数の増減など間取りの変更も柔軟に対応できるという利点があります。
木の家は部分的な補修がしやすいため、修繕を重ねながら長く住み続けることに適しています。例えば、フローリングが傷んだ場合でも全面的な張り替えが比較的容易です。また、柱や梁の修繕も対応しやすく木材の経年変化を楽しめる点も、木の家ならではの魅力です。
リフォームを検討するきっかけとして、ライフステージの変化が考えられます。例えば、お子さんが成長して独立した後、ご夫婦がより快適に暮らせるよう間取りや部屋の広さを変更するケースは珍しくありません。また、高齢化に伴い、室内をバリアフリー化するニーズも高まっています。こうした状況でも、木の家は改修が比較的容易に行うことができます。
木の家に用いられる木材は、大きく分けて無垢材と集成材があります。無垢材は、自然の木を乾燥させて切削したもので、木が持つ調湿性能や香りによる癒し効果が期待できます。ただし、コストが高めで、扱いや手入れには注意が必要です。一方、集成材は人工的に加工され、コストや生産性を重視した木材です。強度が高く、価格が手頃で扱いやすいという利点がありますが、木本来の風合いや風情は無垢材に及ばないこともあります。これらの特性を踏まえ、コスト面を考慮しながら、無垢材と集成材を適材適所で使い分けることが重要です。
木造住宅のリフォームを依頼する際は、木造住宅に精通した業者を選ぶことが重要です。適切な施工がされていないと、木材の特性を活かせず、劣化やトラブルにつながる可能性があります。信頼できる依頼先を見つけるために、以下のポイントを参考にしてください。
家全体を大幅にリフォームする場合は、ライフステージの変化を見据え、長期的な視点で計画を立てることが大切です。例えば、5年後や10年後に家族構成や生活スタイルがどのように変化するかを予測し、それに合わせたリフォームを行えば、より快適な暮らしが実現できます。また、建物の築年数や経年劣化の進行具合を考慮し、どのタイミングでリフォームを実施すれば、リフォームの回数を抑えられるかを検討することも重要です。
リフォーム箇所のおおよその相場です。参考にしてみてください。
住宅のリフォームを行う際には、国や自治体、業界団体が制定している補助金制度を利用できる場合があります。これらの補助金は、制定元によって対象や応募条件、期間、申請窓口などが異なるため事前に確認が必要です。また、補助金は多くの場合、年度ごとに募集が行われます。
木の家は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べてリフォームがしやすく、手を加えながら長く住み続けるのに向いています。特に、家族構成の変化にも柔軟に対応できる点は、ライフスタイルをより快適にする観点からも大きな魅力と言えるのではないでしょうか。