木の家は寒い?その原因と対策

木の家は寒い、というイメージをお持ちの方は多いかもしれません。かつての木の家は隙間が多く寒さを感じることもありましたが、現代の木の家は断熱性能が大幅に向上しており、一概に寒いとは言えないのが実情です。当ページでは、木の家と寒さの関係、寒さが気になったときの対策などについて解説しています。

木の家は他の素材の家より寒い?

外気や風から完全に遮断されたコンクリート造の家に比べると、一般的に、隙間風などがありそうな印象の木の家は寒い、とイメージされがちです。しかし、実際に数値で確認してみると、意外な結果となります。

家の中の寒さを左右する数値が熱伝導率。数値が低ければ低いほど、冷気や暖気を通しにくいことになります。

以下、建材に使われることの多い素材の熱伝導率を見てみましょう(単位:W/(m・K))。

※参照元:(「一般財団法人 住宅・建築SDGs推進センター|材料の熱定数表」のデータを元に作成)【PDF】

上記の数値から、天然木材の熱伝導率が非常に低いことがわかります。これは、木材がコンクリートや鋼に比べて外部の冷気の影響を受けにくい素材であることを示しています。さらに、一度温まると冷めにくいという木材特有の性質を踏まえると、「木の家は寒い」とは一概に判断することはできないでしょう。

木の家は夏は涼しく冬は暖かい

木の家の特徴の1つが、夏は涼しく冬は暖かいということ。一般のイメージとは異なるかもしれませんが、これは確かな特性のひとつです。ただし、実際に木の家に住んでいると「寒い」と感じることもあります。まずは、こうした印象の違いや矛盾を整理してみましょう。

高い断熱性

先に数値で示したように、木材はコンクリートや金属に比べると、熱伝導率が圧倒的に低い素材。冷気や暖気を通しにくいということは、言い換えれば「断熱性が高い」ということ。多くの方のイメージとは逆かもしれませんが、実は木材は断熱性の高い素材なのです。

断熱性の高い素材でできた家は、夏涼しくて冬暖かいことが特徴です。一年を通し、比較的快適な室温の中で生活できるということにもなります。

なぜ寒いと感じられるのか

木材そのものは断熱性の高い素材であるにも関わらず、冬には寒いと感じられる人も多いのではないでしょうか。

寒いと感じられる主な理由は、窓から侵入してくる冷気、またはサッシの隙間から入り込む風が原因の場合があります。たとえ断熱性の高い木の家であっても、窓から冷気が入り込み、サッシに隙間がある状態では寒さを感じやすくなります。

窓やサッシの断熱対策が適切に施されていれば、木の家は非常に快適な住環境を実現できると言えるでしょう。

寒さが気になるときの対策

木の家で寒さが気になるときの有効な対策を見てみましょう。

なお、以下でご紹介する対策は、鉄筋コンクリート造など異なる構造の住宅においても、寒さを感じた際には有効な手段となります。快適な室内環境づくりの参考としてご活用ください。

窓からの冷気

屋内が寒く感じられる最大の原因は、窓からの冷気です。窓からの冷気への有効な対策として断熱窓がありますが、既存の窓が断熱窓ではない家も多いでしょう。

そのような家でも手軽に行える対策が断熱カーテン。窓の上部や下部、サイドなどを全て覆うような大きめの断熱カーテンを設置することで、屋内の断熱性は一気に高まります。あわせて窓ガラスに貼る断熱シートも活用すると、より窓からの冷気を遮断できるでしょう。

床の冷たさ

冷気は下へと集まる性質があるため、冬の屋内では足元が寒くなりがちです。床暖房が設置されている場合には問題ありませんが、リフォームで床暖房を追加するには高額な費用がかかることから、多くの方にとって現実的な選択肢ではないかもしれません。

そこで、簡単にできる床の冷たさ対策が、ラグやジョイントマットを敷くこと。マットの下に市販の断熱シートを敷けば、さらに足元に寒さを感じにくくなります。また、クッション性も高いことから、転倒防止やペットの関節炎防止にもつながり一石二鳥です。

暖房器具の利用

特におすすめは窓下専用のヒーターです。工事不要で手軽に設置でき、広いスペースも必要ありません。一般的なエアコンなどと併用することで、より効果的な防寒対策が期待できるでしょう。

専門業者に相談して暖かく快適な木の家を手に入れよう

現代の木の家は、施工精度が高くなり、隙間もほとんどないため、木材本来の優れた断熱性がしっかりと発揮されています。さらに、高気密・高断熱の設計にも対応できることから、「木の家は寒い」とは一概には言えません。

木の家を検討の方は、ぜひ専門業者に相談してみてください。