注文住宅について検討している中で、「木の家」が気になっている方もいるのではないでしょうか。木の家にはさまざまな木材が使用されていますが、それぞれの木には特徴があります。
こちらの記事では「檜葉(ヒバ)木材」に着目し、どのような特徴・効果を持っているのかを紹介していきます。木の家を建てたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
日本国内でヒバといえば、石川県で生産されている「能登ヒバ」と青森県で生産されている「青森ヒバ」の2つが特に広く知られています。青森県では江戸時代からヒバ林が厳重に管理され、現在まで資源が確保されてきたという歴史を持っています。
国産のヒバの生産地は、上記の通り石川県・青森県が主となっていますが、海外で生産されているヒバ材もあります。その中で、アメリカとカナダから輸入されるヒバ材は「米ヒバ」と呼ばれています。厳密にいうと国産のヒバはヒノキ科アスナロ属、米ヒバはヒノキ科ヒノキ属であり異なる樹木ですが、似たような特性を持っています。
ヒバは長い年月をかけて成長していきますので、木材の密度が高く耐久性が高い点が特徴のひとつです。さらに、ヒバのチップは防湿材として用いられるほど防湿効果も高いです。そのため、家の中では水回りや基礎部分などで活用できますし、フローリングや柱に用いることによって湿度を調整し、カビの発生を防ぐといった効果が期待できます。
ヒバは非常に良い香りを持つ樹木でもあります。これは、「ヒノキチオール」と呼ばれる香り成分が多く含まれているからです。この香りを嗅ぐと安らぎを感じる方もいるのではないでしょうか。さらに、ヒノキチオールには防虫・防腐効果もあります。
また、ヒバはシロアリに強いという特徴も持っています。
4LDKから3LDKの全面改装にあたり、ヒバ材を採用しました。床はヒバ材のフローリングにして、一部を床暖房にしました。ヒバ材の香りでリラックスできるリビングになりました。
家全体に木をふんだんに使用した木の家です。ヒバは香木としても知られていますので、家に入ると木の香りに包まれます。また、天井や床など随所にさまざまな種類の木材を使用していますので、「裸足で過ごすのが気持ち良い」空間になりました。
ヒバ材は湿気に強い点、さらに特有の香りを持つ点などが特徴です。こちらの事例は、その特徴を活かしてトイレの天井や壁などに能登ヒバを使用しています。湿気によるカビなどの繁殖を防ぎ、まるで森の中にいるような空間になります。
ヒバを使ったフローリングは、日常的には掃除機やフローリングワイパーなどを使用して掃除を行う方法で問題ありません。また、ヒバはカビが発生しにくい性質を持っていますので、水回りに使用した場合もメンテナンスが楽に行えます。
木の家は、しっかりとメンテナンスを行えば長持ちさせることができます。手入れすればするほど家に対する愛着も湧きます。そのため、自分の家に使っている木に合ったメンテナンス方法をチェックしておくことも大切です。
ヒバは腐りにくく、耐久性に優れた木材です。湿気が多い日本の住宅の建築にあっています。
ヒバ材は、岩手県平泉町にある中尊寺金色堂をはじめとする重要文化財にも使用されてきました。長く住める、丈夫な木造住宅を作りたいと考えている方には、ヒバ材は選択肢のひとつといえるのではないでしょうか。
害虫を寄せ付けないとともに、その消臭・脱臭効果から不快なにおいにも対応できます。例えばトイレやキッチンなど、家の中でにおいが気になりそうな場所にヒバを使用すると良いでしょう。
また豊かな香りを持つ木材ですので、ヒバ材を使用しますと家の中が癒しの空間になります。
ヒバは、真っ直ぐに伸びているように見えても、途中でねじれが生じているものもあります。そのため、樹木の断面が円形でないものもあります。さらに、そのねじれ方もそれぞれの木で異なりますので、加工を行う場合には高い技術が求められます。
この点から、あえてねじれが生じた自然の形を残しながら、柱などに使用されるケースもあります。
ヒバは成長が非常にゆっくりである点に加え、スギと比較しますと分布量が非常に少ないことから、貴重な資源であるといえます。また、資源保護の観点から年間に伐採する量も制限されています。
結果としてヒバ材は高値で取引されることになるため、住宅に使用する場合にはコストが高くなってしまいます。
こちらの記事では、多くの魅力を持つヒバ材について紹介してきました。
耐久性や特有の香りなど、自宅に取り入れたくなる特徴がたくさんありますが、木の家を建てる際にヒバを使うのでしたら、予算を考慮しながらどの部分に使用するかを検討すると良いでしょう。また、コスト面で厳しい場合には、他の木材もチェックしながらプランを立てていくことをおすすめします。